探偵社が弁護士を紹介してくれる秘密

探偵社に調査を依頼したのち、浮気の結果が報告され、報告書を手渡された時点から、あとは探偵社の出番は無くなってしまいます。

なぜなら、探偵社の仕事はただの調査。

調べる事はできても、その後の人生に大きく関与できるような権利を探偵社は持っていません。

特に離婚問題となった場合、探偵社は報告書という決定的な証拠を依頼者に渡すことはできますが、その武器を使うのは依頼者自身となるので、離婚問題に直接介入することはできません。

しかし、一たび離婚問題となれば、特に法律面での不安もあるため、弁護士を雇って離婚栽培を勧める人が殆どでしょう。

また、慰謝料請求に関しても、浮気相手との示談交渉のためにはやはり弁護士の仲介が必要不可欠です。

つまり、離婚問題や慰謝料の問題を最後に解決できるのは弁護士の仕事という事です。

しかし、探偵社を探すだけでも大変なのに、今度は弁護士を探して依頼しなくてはならないとなると、その手間を考えただけでも眩暈がしそうですよね。

しかしご安心ください、現在では大手探偵社をはじめ、様々な探偵社が弁護士の紹介を無料で行っているのです。

一見なんの関係もなさそうに見える探偵事務所と弁護士事務所ですが、じつは両者ともに依頼者を紹介し合う事で以下のようなメリットを得られるのです。

■探偵社側
探偵社では多くの浮気調査を行っていますが、その中には当然離婚を前提としていたり、すでに離婚問題に発展している依頼者も数多くいらっしゃいます。

このような依頼者の場合、探偵社のみならず弁護士の助けをしている事が多いので、調査業務が終了後、依頼者の要望によって弁護士を紹介できる方が、より依頼者へのサービスを充実させられるメリットがあるのです。

■弁護士側
弁護士事務所では日々多くの離婚や慰謝料に関する相談が寄せられていますが、その中には証拠が足りず、弁護士の力だけではどうにもならない依頼が幾つも存在します。

そこで、弁護士が弁護を行うと同時に、探偵社への調査を進めることによって、弁護士は十分証拠がそろった状態で裁判に挑めるので、弁護費用も回収できるという訳です。

浮気や不倫を原因とした離婚裁判に挑む場合、原告は『法律の知識』と『証拠の収集』という二つの大きな壁にぶつかる事となります。

そのため、出来ることならば探偵社に証拠を集めさせ、弁護士に弁護を依頼するのが裁判に勝てる最良の方法となります。

しかし、探偵社への浮気調査の相場が25万円、弁護士への費用の相場が30万円程度となれば、会わせて60万円以上の出費を覚悟しなければならず、なかなか二つの業者に依頼をするのは難しいでしょう。

しかし、実は慰謝料を請求する前提であれば、この60万円という費用はそれほど痛いものではなくなるのです。

実は弁護士事務所の多くは探偵事務所と同じく『成功報酬制度』を採用している事務所が多いのですが、このシステムは『慰謝料を取れれば成功』としている場合が多いのです。

ちなみに、慰謝料請求に成功した場合、弁護士がそのうちの30%ほどを弁護費用としてもらい、残る金額が依頼者の手元に残る事となります。

離婚裁判における慰謝料の相場がおよそ300万円ですから、仮に300万円の慰謝料を請求できたとしたら、100万円が弁護士事務所へ入り、残る200万円が依頼者の手元に残る事となります。

そして、この200万円から探偵社への依頼料25万円を払えば、のこる175万円が依頼者の手元に残る事になります。

これを損と取るか得と取るかは依頼者次第ですが、
完璧な証拠と弁護士を使って確実に勝ち、175万円を手に入れるのと、

証拠が少なく弁護士にも依頼できない状態で離婚裁判を行い、慰謝料請求が認められずに裁判が終わってしまうかを考えれば、

やはり前述のほうが依頼者にとってはお得だと言えるでしょう。

このように探偵事務所と弁護士事務所は密接な関係にあるわけですが、じつは両事務所から依頼者を紹介する際には、どちらの事務所も一切金銭を受け取っていません。

実は弁護士の権利を守るための法律である『弁護士法』では、法律取り扱い業者を紹介、または斡旋するために金銭などの取引を行うことは違法であると定められているのです。

このような理由から、どの探偵社も弁護士事務所も金銭のやりとりは一切なく、お互いに依頼者をプールする事によって相互利益を得ているだけにとどまっているのです。

このように、探偵社は弁護士事務所を紹介できるだけではなく、弁護士事務所に相談した場合にも探偵社を紹介される場合があります。

また、どちらも業務提携を結んでいる訳ではないので、両事務所が共に優良な業者でなければ相互関係を築く事ができません。

つまり、探偵社を紹介できる弁護士、弁護士を紹介できる探偵社は共に優良企業である事が多いというわけです。