夫や妻の浮気をSNSで暴露すると名誉毀損になるのか?
今や20〜30代の若年層の殆どが使用しているSNSですが、その情報拡散力はビジネスの分野でもいかんなく力を発揮しているため、もはやインターネット=SNSという見方すら出来る程になっています。
しかし、そのせいか浮気の舞台も現実からSNSの世界へと移ったせいで、浮気の腹いせにとる行動もSNSを利用したものが多くなっています。
最近では浮気をされた側、もしくは浮気によってもてあそばれた女性などがSNSを通じして妻や夫の実名などを出し、浮気の事実を不特定多数の人間に対して公表するという行為が相次いでいます。
このようなセンセーショナルな発言はすぐにバズ(拡散)されてしまい、一瞬で何千人、何万人もの目に止まる結果を生みます。
しかし、幾ら浮気をした側が悪いといっても、ここまでやって大丈夫なのかと不安になっている方がいらっしゃると思うので、以下の項目からSNSで浮気を暴露した場合のリスクについて詳しく見ていきましょう。
名誉棄損に問われる可能性
SNSを利用して浮気の事実を公表した場合、
その公表の仕方によっては名誉棄損に問われる可能性があります。
ちなみに名誉毀損とはある人物の社会的な評価を著しく低下させる行為を指す言葉であり、主に刑法に定められた罪となっています。
例えば、SNS上で浮気をされた貴方が、浮気をした配偶者のことをSNS上で公表しようと思ったとします。
この時『○○が浮気をしている』『その浮気相手は○○だ』といった発言をした場合、その相手の社会的評価を貶める行為であると取られるため、名誉毀損罪に問われる可能性があります。
しかし、名誉毀損として罪に問われるものと、そうでは無いものの両方が存在するので、公表するにしてもその方法が問題となります。
実名や具体的な個人情報を出さなければ罪には問われない?
名誉毀損にあたるSNSでの公表は、その実名が出ているかいないかが重要な点となります。
例えば夫の名前を出したり、浮気相手の実名を公表することは完全にNG。
実名が出てしまうと、その人物を知らない不特定多数の人間からの評価が下がってしまうため、相手から告訴されれば避けようが無くなってしまいます。
また、個人名は解らずとも、その情報だけで明らかに人物が特定されるような発言や、勤務先の名前や役職、通称なども出てしまうと危険です。
つまり、SNSに『浮気をされた』というのは大丈夫なのですが、そこに本人の実名や特定可能な個人情報をセットに出してしまうと、それだけで名誉毀損に問われてしまうのです。
名誉毀損以外に抵触する恐れがある法律
ちなみに、SNSで浮気について投稿しようと考えている人は、
名誉毀損以外にも注意しなくてはならない刑法があります。
それは『侮辱罪』という罪。
よく口げんか等になると、相手が
『名誉毀損で訴えてやる!』
『侮辱罪で訴えてやる!』
という発言をする人を見た事があるかもしれません。
つまり、相手との闘争の結果起きやすい罪なのですが、これが適用されるのは名誉棄損と同じく、不特定多数の人間に対して当人を侮辱する発言をした時にのみ適用されるので、1対1の口喧嘩ではまず発生しません。
ところが、SNS上での口論の場合、『この人物は○○だ!』といって明らかな侮辱を行った場合、それが事実であるかは関係なく、刑法に示す所の侮辱罪として刑事告訴する事が可能となるのです。
つまり、SNS上で浮気の事実を公表せず、悪口だけで済ませようと思ってもダメ。
その場合は名誉棄損ではなく侮辱罪として罪に問われる可能性があるのです。
浮気についてSNS上で批判することは危険
この様に、感情に任せてSNS上で浮気にたいする批判を書き込んだり、報復目的で配偶者やその相手の浮気について公表した場合には名誉毀損に問われる可能性があります。
また、たとえ浮気について触れなくても、相手を馬鹿にしたような発言をSNS上で繰り返せば侮辱罪に問われる可能性があります。
つまり、SNS上で浮気に対した発言を繰り返せば繰り返すほど、相手を苦しめる事はできますが、発言者も裁かれる事となり、結局は喧嘩両成敗となってしまう可能性が高いのです。
浮気をされたのに刑事告訴までされたら本当に割にあいませんよね?
ということで、浮気をされたとしてもSNS上での仕返しは厳禁です。
仕返しをしようと思ったら、無暗に相手への評判を落とすような真似はせず、法的な権利を利用してきっちりと損害を賠償してもらいましょう。