料金交渉で浮気調査の費用を節約するコツ
高額だと良く言われる探偵社の料金ですが、物販とは違いサービスを商品としているため、料金の値下げ交渉は行いやすいでしょう。
そこで、ここでは予算が少ない人でも探偵社を利用できるように、浮気調査の費用の値下げ交渉術に使える2つの技を解説したいと思います。
予算は先に提示するのが交渉のツボ
浮気調査の相談をする時、探偵社から予算を先に提示されてしまうと、その後の料金の交渉が難しくなってしまいます。
しかし、先に貴方が予算を提示して『○○万円以上は出せない』と言っておけば、ほとんどの探偵社は、定時された料金でなんとか調査が出来るか考えてくれるはずです。
これは探偵業のみならず、あらゆる交渉術(ネゴシエーション)の基本で、
心理学の世界では『アンカリングの法則』と言われています。
アンカリングの法則は、認知バイアス(ある特定の物事に注目すると、他の物事に注目が行かなくなる)の一つであると言われています。
この理論を生みだしたのはアメリカの心理学者であるダニエル・カーネマンとエイモス・ドベルスキーです。
彼らが行った研究はこうです。
アンカリングの法則
覆数人のアメリカ人に対してアフリカ大陸にある国連加盟国の数について質問をします。
その結果、先に『45%』を基準に考えてもらった場合と、65%を基準に考えてもらった後では、45%と先に言われた人間の方が少ない数字を応える人間が多かったのです。
その他にも、MITで博士号を取ったアリエリー氏も同様の事件をしており『アンカリングの法則』について言及しています。
この法則のポイントは、初めに提示された数字が実際の判断基準にはなんら影響を及ぼしていないにも関わらず、まるで定められたルールの様に、判断の基準としてしまうことです。
例えば、探偵社に相談をした時、探偵社が貴方の状況を聞き、『その調査であれば3日間で30万円となりますがどうでしょうか?』と言ってきたとします。
それについて、貴方がその値段を値切ろうと思った時、必ず『30万円を基準として、そこから何パーセント下げる事が可能だろうか?』と考えるはずです。
しかし、実際に提示される金額は、探偵社がその調査で利益を得るのに十分な金額、もしくは業界の相場を意識した金額です。
本当に調査費用として妥当な金額かはわかりません。
にも関わらず『30万円』と言われたら、30万円を基準に値下げを意識してしまうこの現象が、すでにアンカリンクの法則に嵌っている証拠なのです。
この法則を使って探偵社側に値下げ交渉を仕掛けるためには、必ず自分の条件を先に提示する必要があります。
これが出来なければ、今度は依頼者がアンカリンクの法則に引っ掛かる事になるので、条件の提示は相談の初期の段階に行っておきましょう。
また、金額は曖昧にせず、はっきりと言う事が大切です。
曖昧に金額を提示してしまうと、アンカリンクの法則が発生しにくくなります。礼儀は失さず、気だけは強く交渉に臨む姿勢が大切です。
ボトムラインは隠し通す
交渉術の専門用語に『ボトムライン』と呼ばれる言葉があります。
ボトムラインとは、交渉を行う上で最低限情報できるライン。つまり、貴方が出し得る最高額の調査費用という事になります。
そして、交渉の世界ではボトムラインは絶対に隠し通さなくてはならず、相手にボトムラインを知られてしまえば、ボトムラインを基準に交渉を進められてしまうため、値下げをすることが難しくなってしまいます。
しかし
「先ほどは金額の条件を提示しておきながら、ボトムラインは知られてはならないって、一体どういうことなの?」
と疑問に思う方は、恐らくとても実直な方なはず。
なぜなら、交渉の基本は『嘘』を付く事につきるからです。
では、もしもアンカリンクの法則を使用して、最低限の譲歩ラインである予算25万円を条件に設定したとしたら?
その時、例えアンカリンクの法則が発生したとしても、相手が基準にするのは、貴方が出せる最高金額な訳ですから、相場より値段が下がったとしても、貴方はやはり予算の全てを失う事になります。
では、25万円の予算があっても、相手には『20万円が出せる限界です』と言って伝えれば、相手はギリギリの値段だったとしても、依頼が取りたければ20万円で契約をするしかなくなります。
つまり、ボトムラインさえ知られなければ、相手は貴方が提示する金額を基準として考えなくてはならないので、交渉の主導権を渡さずに済むという事です。